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2008年04月02日

大学のTLO

現在の文部科学省と経済産業省によって1998年に制定された『大学等技術移転促進法(TLO法案)』に則り、産学連携による技術移転を目的に設立された、いくつかの大学にTLO(Technology Licensing Organization)が設立されています。TLO設立以前は、大学の教員が発明を行った場合、個人で出願し、技術移転を行うしかありませんでした。TLO設立後は、原則として出願時からTLOをサポートを受けることができ、さらに大学帰属になった特許については、TLOが技術移転などを行ってくれるようになりました(それぞれのTLOによって細かな制度・規則は異なります)。

このような話を聞くと、「研究をして、発明し、特許を出願すれば大金持ちになれる」と考えてしまいがちです。しかし、現実はそれほど甘くありません。「基礎研究をして、特許を取得し、その特許をライセンスすることで収益を上げ、研究所を運営する」という構想は、かつて多くの基礎研究所が夢見た構想なのですが、私の知る限り、あるていどの期間にわたってそのようなスタイルで成功した研究所はほとんどありません。

ノーベル賞受賞者を何人も輩出した米国のベル研究所は、基礎研究に取り組む研究者には憧れの研究所で、「米国の誇り」とも言える存在でした。しかし、今では日本企業に買収され、見る影もありません。他にも、世界的に有名であった大企業の基礎研究所がありましたが、研究所だけで収益を上げて、経営できているところは見当たりません。

そのような試みを大学で実現しようとしても、非常に困難です。もちろん、多くの大学関係者がその方向を目指して努力しています。特に特許のみに限定すると、さらに困難です。

多くのTLOが実績を示すため、特許のライセンス実績を公表したりしますが、通常はその特許を生み出す元になった研究の費用はコストとしてみていません。もちろん教員の人件費もコストとしてみていません。多くの場合は、ライセンス収入等と出願費用等の差をみて黒字と言っていると思います。

本当に良い特許であれば、長期に保有し、企業から長期に実施料をもらい続けるのが良いのですが、そのような契約はあまり企業も結んでくれません。締結しても、非常に実施料が低かったりします。特許は維持費もかかります。したがって、多くのTLOでは、早めに出願費用よりもある程度高い値段で特許を売ってしまって、黒字にします。結局、大して儲からないのです。

どちらかというと、教員が企業の技術コンサルタントをしたり、共同研究費という形で企業からお金をもらった方が、TLOとしても安定収入が得られる場合が多いです。また教員としても、このような形で民間企業からお金を取るよりは、国のいろいろなプロジェクトを担当したり、国が作るいろいろな組織の役職を引き受けた方が、どちらかというと収入が増えるように思います。

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posted by ウホホイ at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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