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2009年09月22日

最先端研究開発支援プログラム2

最先端研究開発支援プログラムは、内閣府のホームページによると以下のようなプログラムです。

「新たな知を創造する基礎研究から出口を見据えた研究開発まで、さまざまな分野及びステージを対象とした、3〜5年で世界のトップを目指した先端的研究を推進することにより、産業、安全保障等の分野における我が国の中長期的な国際的競争力、底力の強化を図るとともに、研究開発成果の国民及び社会への確かな還元を図ることを目的とした、「研究者最優先」の研究支援制度として「最先端研究開発支援プログラム(FIRSTプログラム※)」が創設されました。」

文末にありますように「FIRST」という通称でも呼ばれることがあります。先日発表されたこのプログラムに選ばれた中心研究者(このプログラムのリーダーの呼称です)は、日本のみならず世界を代表する研究者です。

民主党政権となったため、実際の研究費がどのような規模となるかまだ分かりませんが、当初の構想では総額2700億円で、30名の中心研究者を選ぶというものでしたので、単純計算すると一人の中心研究者当たり90億円(3〜5年の期間の研究費の総額)です。

このような規模からもこれまでにない異例のプログラムなのですが、実は業界関係者を震撼させる新たな試みがもう一つあります。これまで国の科学技術に関する予算の多くは、文部科学省系はその所轄する独立行政法人科学技術振興機構(JST)、経済産業省系は独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、総務省系は独立行政法人情報通信研究機構(NICT)などを通じて、各研究者へ配分されていました。

したがって、研究者は自分の研究提案をこれらの独立行政法人に申請し、審査を受け、採択された場合にこれらから国の科学技術に関する予算を受け取ることができました。つまり、これらの独立行政法人は提案を審査し、選び、予算を配分する権限を持っているのです。

ところが今回の最先端研究開発支援プログラムでは、中心研究者を選んだ後に、この中心研究者をサポートする機関を公募するという仕組みになっています。これらの独立行政法人が中心研究者に研究支援業務に関する提案を提出し、中心研究者がサポート機関を選ぶわけです。

これまでの提案する側と審査する側が入れ替わっているわけで、業界関係者からすれば天と地がひっくり返るほどの出来事です。さらに驚きなのは、サポート機関としては大学も名乗りを上げることができる点です。大学教授は、言うまでもなく大学に雇用されているわけで、一般的に考えれば大学はこの公募において独立行政法人よりも有利な立場にあると思われます。

大学も財政が厳しいために外部資金の獲得に必死です。特にこのようなプログラムのサポート機関に選ばれれば、研究費に対して30%相当の間接経費が別途付けられ、それが大学の取り分になります(そのまま自由に使えるわけではありませんが、詳細は割愛します)。それ故、大学首脳部からは中心研究者にそれなりの圧力がかかると考えるのが自然でしょう。

独立行政法人の立場からは、自分たちを経由せずに大学へ国の予算が配分されると、自分たちの存在意義が否定されかねず、自分たちがサポート機関になろうと必死です。もちろん、大半の国の予算はこれらの独立行政法人を経由しますので、今回のプログラムがほとんど大学経由となったからと言って、すぐに存在を否定されるわけではないのですが、国の最高峰かつ最大規模の科学技術研究プロジェクトですので、今後への影響は少なからずあると考えられます。

しかし、大学も安穏としていられません。これまで大学の研究者が外部資金を獲得して来ると、その10〜30%程度を間接経費として大学が取ります。この比率は大学によって異なり、海外の大学はもっと高い比率です。

研究者としては、間接経費を大学に払っているのだから、その分事務的なサポートを大学側に期待します。しかし、そのお金は、一般的には大学の全く研究と関係ないところに使われ、実際に事務をする部署・人には配分されないことがほとんどです。そうすると、事務スタッフからは、給料が増えるでもなく、人員が増強されるでもなく、仕事だけ増えるので、一般的には嫌われます。つまり、必死に外部資金を獲得してきて、大学に納めているのに現場からは歓迎されないわけです。それも窓口の事務の人々の状況が分かるだけに、何ともいえない複雑な気持ちです。

それに比べると、独立行政法人は、大学とは別の法人として研究者をサポートするので、直接支援業務に当たる時はそれなりに充実した支援体制となります。したがって、今回の最先端研究開発支援プログラムにおいてもあえて独立行政法人を選ぶ人も出てくると思います。そのような事態になると、大学の事務方にとっても脅威となる可能性があります。
(*従来の独立行政法人が大学経由で研究者に研究費を配分する形態では、大学の事務方が実質的にはサポートすることになりますので、上記とは少々状況が異なります)

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posted by ウホホイ at 17:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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