これらの報道を聞いて、「大学がマネーゲームに大金を投じて、巨額の損失を出すなどけしからん!」と思われた方いるのではないかと思います。
しかし、欧米の有力大学には1兆円を超える資産を保有し、その運用益を大学経営の欠かせない資金源としているところが少なくありません。真の意味での独立を勝ち取るためには、「財の独立」は必須だからです。
それは日本の大学の多くが国のお金で運営されていることを考えればわかります。私立大学でさえ、多額の私学助成金を受け取っています。当然のことながら、国の意向を無視できません。もちろん、独自資金で活動したからといっても、学校法人であるが故の様々な規制は存在するので、何から何まで自由になるわけではありません。それでも国からの助成金無しで運営できなくなるという状況を脱しなければ、非常に大きな制約を受けることは容易に想像できます。
少子高齢化が進む日本の社会で、学生数を増やすことにより収入増を図ることは基本的に無理があります。また授業料の値上げをするにも限度があります。
日本の有力私立大学である慶應義塾大学でさえ、多額の助成金を国からもらわなければ経営できません。他の私立大学はさらに厳しいです。つまり、現在の経営状況でも、助成金を除けば赤字状態なわけです。大学の職員の給与、その他の経費もかなり削減努力はされているようで、これ以上削減するのもかなり無理があると思われます。
このような状況を冷静に分析すれば、他の収入源を育てるしか選択肢がありません。さらに「学校法人」という社会的な位置付けを考えれば、大学が何でもかんでもビジネスを展開すれば良いというものではなく、「大学としての品格」を疑われないようなものに限定されます。
海外の有力大学の例をみると、資産運用と寄付が二大収入源です。
したがって、日本の私立大学の生き残りのためには、資産運用と寄付金集めに注力すべきということになります。そのため冒頭のようなことも起こり得ます。
それを単純に「運用などするべきでない」ということにならないことを祈ります。
立正大では、資産運用を野村証券や大和証券SMBCなど国内4社に委託しているそうです。このような方法は、運用成績が悪くなったとしても、外部に責任を追及できますので、大学内部の人は楽です。しかし、本当に証券会社に丸投げすればよいのかどうかは、最近のリーマン・ブラザースなどの有力金融機関の破たん、その理由などを聞く度に不安になります。
各大学内に「運用のプロ」を育成していくべきなのではないでしょうか。またどんなに有能な人が運用しても、中長期間運用する中で運用成績が悪い時は必ずあります。運用とはそういうものであることを、多くの人が理解することも重要と思われます。
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